編集部では動画配信、コミュニティ構築、ダウンロード販売でThinkificを1年間使用しました。
編集部が実際に使って感じた率直な評価
まず、海外のEラーニングツールでよく比較されるのがKAJABIやTeachableかと思います。 Thinkificはそれらの中間の立ち位置のようなプラットフォームであり、機能性などは Teachable < Thinkific < KAJABI という点は覚えておいた方がよいと思います。
最大の特徴はすべての有料プランでコース作成無制限、生徒数無制限、動画アップロード本数無制限という太っ腹さです。これは5年以上前からこの仕様になっており、最近では多くのプラットフォームが価格改正をしていくなかでもThinkificはこの点だけは変えずに運営されています。
最大の使用ポイントだと思われるコース作成画面は以下のようなUIになっており、 チャプター → レッスン というように作成することが可能。日本国内のツールのようにレッスン数や動画本数を心配しながら作成する必要はない。

ただ、注意点としてはやはり海外ツールなので、管理画面はすべて英語での操作となる点は注意。ブラウザ翻訳機能を使うことで、この点は対処できるが文字入力時などはOFFにしておかないと変に変換されてしまう可能性がある。
他の競合と比べてどうか?
Thinkificの一番の売りは、冒頭でもご説明した通り、「無制限動画、生徒、ページ作成」という点です。それが目につきますが、それプラスアルファで 「共同作業者」として外部のスタッフやゲスト講師を招いてコースを作成できる機能も特徴的です。
「レベニューシェア (収益分配)」のような機能があるので、講師用アカウントを発行して、講師の方にそのままThinkific上でコースを作成してもらうことができます。もちろん、そのアカウントはコース作成画面しかアクセスできないので、顧客情報や決済情報などは隠すことができます。 最後にコースが完成して販売が開始されたら、事前に設定した金額を講師の方の売上として計算する機能も備えています。

オートメーションなどはKAJABIにはやはり劣りますが、最低限でOKという方にとってはむしろシンプルで扱いやすいかもしれない。
利用に慣れるための期間
海外ツールということもあり、数日でコースを公開できると言われると正直難しい。学習曲線はそれなりに高く、慣れるまで時間がかかると思う。ただ、公式ドキュメント(英語)はしっかりと用意されているので、日本語翻訳しながら操作をすればトラブルも少ないと思う。
コース以外の必要なページ(HOMEページ、ストアページ、マイページ)などはすでに枠が用意されているので、中身を日本語化することで比較的早く公開することはできるかと。
Thinkificが向かないケース
Thinkificを利用する際に、特に注意が必要だと感じた点は以下です。
- 修了証が日本語に対応していない:Thinkificにはコースを完了した際の「修了証/認定証発行」のような機能があります。しかし、実はこの機能は日本語には非対応となっています。日本語で実際に使用してみると文字化けを起こすことが確認されており、受講者名、コース名に日本語が含まれる場合は実施利用が難しい。
- 高度なオートメーション、メールマーケティングをしたい場合: Thinkificには最低限のメール配信や自動化が実装されているが、あくまでも初歩的なものばかり。顧客の行動に応じてメールを毎回送信したり、7日目、30日目、90日目のように細かい日数管理でメールを送りたい場合は外部ツールと連携する必要があったりする。その場合はKAJABIのようなオールインワン管理ができるツールの方がよいかもしれない。
また、ニッチなケースではありますが、決済方法は Stripe と Paypal 経由が基本となります。国内の決済ゲートウェイとは連携していないので、その点は注意が必要。普通に利用する分にはStripeが世界中で利用されており、日本法人もあるのでクレジットカード受け付けは問題ない。しかし、業種によってはStripeが利用できない業種もあるのでその点は注意が必要。特に金融系や占い系の場合は、Stripeが利用できないので他のプラットフォームを検討した方が良いかもしれません。
Thinkificが向いているケース
一方で、Thinkificが非常に相性が良いケースとしては、「とにかく多くのコースを公開したい」場合です。やはりこれが一番のメリットになります。
例えば、一番安いプランであっても500コースのような大量のコースも販売することができるので、色々な講師からコンテンツを提供してもらい大きなスクールを運営することも可能。 将来的にサイトの規模がものすごく大きくなっても Thinkific Plus というエンタープライズ向けのプランもあるので、これを使うことで大量アクセスにも対応できる点は覚えておいて損はない。
総合的な印象
Thinkificは「拡張性よりも安定性とコスト効率を重視したEラーニング基盤」という印象です。無制限でコースや動画を作成できる点は、国内ツールや他海外サービスと比べても非常に強力で、長期的にコンテンツを積み上げたい運営者に向いています。一方で、UIやオートメーションは最先端とは言えず、英語管理画面への慣れも必要です。
ただ、その分シンプルで破綻しにくく、複数講師を巻き込んだスクール運営には最適です。「派手さよりも堅実さ」を求める人には、安心して選べるプラットフォームだと感じます。。
正直 月額36ドル でこの上限でEラーニングサイトを運営できるのであればかなり破格です。しかも企業としての信頼性も高いサービスなので Utage のように小規模チームの運営とは異なる点は長期的なビジネスを考えると重要な点だと思います。